Rの発音もウムラウトも、Morino先生におまかせ!
ドイツ語を学んでいる人たちの多くが「きれいな発音で話したい」と努力されます。美しい発音に対する高い意識は、日本人の素晴らしい感性のひとつと思います。
「相手に伝えたい」気持ちを大事に、ドイツ語を学んでいくレッスンをしています。
Grüß Gott!
ドイツ語を楽しく学んでいらっしゃいますか?
最近、「ドイツ語そのものは勉強したことがないのだけど、コーラスで歌うことになったから発音を教えてほしい」という方が増えています。
最近、「ドイツ語そのものは勉強したことがないのだけど、コーラスで歌うことになったから発音を教えてほしい」という方が増えています。
そのコーラスでやるという曲は、ドイツが誇る有名な詩人であり、劇作家でもあるゲーテが書いた「のばら」。シューベルトやヴェルナーの作曲で知られていますね。
ドイツ語は、日本のローマ字読みに近く、文法はともかく、英語やフランス語に比べると比較的読みやすいです。
a,e,i,o,u の母音は、そのまま、「あ、え、い、お、う」と発音すればいいです。母音が二つ重なった場合には、小さな規則がありますが、そんなに複雑なものでもありません。
それより日本語にないもの、例えば「R」や子音のみのもの、それからウムラウト!の発音になかなか馴染めないでいる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
「R」の発音の仕方
まず、「R」ですが、やり方は2通り。ドイツの地域によっては、いびきをかくような音にする、のどを鳴らして発音する「R]と、巻き舌にするものとがあります。
日常生活では、そんなに気にしなくてもいいものかもしれませんが、誰かに読んで聞かせたり、人前でゆっくり話したり、または歌ったりする機会があると、そうもいっていられません。巻き舌が出来る人は幸運な人ですが、できない人にとっては、これほど厄介なものはないものですね。でも、練習すれば、できるようになりますよ。文章では伝えにくいですが、例えば、こんな練習法があります。
まずは舌の先を、右と左とで真ん中に縦に折りたたむような感覚をイメージしてください。そして、そこに息を流しながら「あーる」と言いつつ、「る」の時に、舌を先ほどイメージしたように縦に折りたたむようにしてみてください。「る」という際に、唇を柔らかく少し先にとがらせるようにすると、助けになるかもしれません。
ここで大切なのは、先走って、「RRRRR]という音を連続してむやみに出そうとしないことです。息をふっと吐く瞬間と、舌を縦に折りたたむイメージがうまいタイミングで重なってくると、息の中で舌が震えるようになってくると思います。
ほんのちょっとした時間でいいんです。手を洗いながらとか、何度かやることが大切です。頑張って挑戦してみてください。意外と早くできると思いますよ。
先ほど述べた「のばらー HEIDENRÖSLEIN」の発音を頑張って練習している女の子も、最初は全く「R」が出来ませんでしたが、この頃ずいぶん上手になりました。
ウムラウトをきれいに発音するには?
ウムラウトも練習すればきれいにできるようになります。
例えばüですが、これはまず唇を横に引っ張って、かわいい笑顔を作って「いー」と発音します。そのまま「いー」と発声しながら、唇だけまるく「う」の形にスライドするように持ってきます。そうすると、きれいな「Ü」がつくれます。
子音は難しい?
目下のところ、HEIDENRÖSLEINの女の子が頑張っている課題が、「子音」。
例えば、HEIDENRÖSLEIN の2節め。
"Knabe sprach: Ich breche dich"
日本語訳では「われはたおらん」という箇所ですが、何が課題かというと、全部をはっきり発音しようとするがあまり、いらない母音が入ってしまうのです。
特に「SPRACH」と「ICH」と「DICH」の「CH」のあとに「あ」や「い」という音が入ってしまいます。「いっひぃ」「でぃひぃ」のように聞こえてしまいます。
これは「CH」をはっきり発音しようと思うがあまりに、そのまえの母音「A」や「I」がおまけで発音されてしまうからのようです。
「ch」はドイツ語の発音記号で示すなら「ç」
窓や、ガラスが汚いので、「はあ・・」と息を吹きかけて曇らせて、きれいにした経験、想像できますか?またはあまりに寒いので、手を温めようとして、息を吹きかける・・・その吹きかけた息そのものが「CH」なんです。ガラスを曇らせるのに、誰も「はあああああああ」と「あ」の部分を長くする人はいませんよね?
吹きかける淡い息が「CH」の元。
「CH」の前の母音を発音した口の形を保つようにして、「淡い息-CHの元」を送ってみましょう。
カギになる母音に下線を付けました。その母音の形を保つようにして、さあ、トライしてみましょう。
「ICH」なら、「い」の形を保つようにして、「CH」
「SPRACH」なら「あ」の形を保つようにして、「CH」
どうですか?うまく発音できましたか?
ドイツ語には、子音が並んでいる単語をよく見かけますが、日本語には、そういった単語が基本的にはないので、慣れない子音をはっきり発音しようとするがあまり、存在しないはずの母音が無意識に入ってしまいます。
有名なベートーヴェンの交響曲第9番の歌詞に「FREUDE」喜びよ!というくだりがあります。この「F」は上の歯で、下唇を軽くかんで息を送り、次の「R]を発音したあとやっと「EU-おい」という母音にたどり着きます。
ところが、この「F」に力が入って、「FとR」の間に「う」が生じてしまい、結果、「ふろ」に聞こえがちです。
人類みな兄弟と呼びかける「喜び」が「お風呂」になってしまっては・・・・・ね。
こんなことにちょっとだけでいいので、心配りしながら発音しようと思っていると、相手が言っていることも、聞き取りやすくなります。
きれいな発音ですね、と感心されたら嬉しいしい、相手に伝わる言葉力・説得力も増します。
出来る単語からでいいのです。
Schritt für Schritt!!!!
このほか、私のレッスンでは
作曲家の意図を汲み取るお手伝いをいたします
ゲーテのHEIDENRÖSLEINは、いろいろな作曲家によって歌になっていて、WERNER(ヴェルナー), SCHUBERT(シューベルト), SCHUMAN(シューマン)の曲などがよく演奏されます。
楽譜には、たいてい作曲家の曲に対する指示が書いてあります。
WERNER は、「MÄßIG BEWEGT ほどよく動かして」 (楽譜によっては ETWAS BEWEGT 少し動かして となっているかもしれません)
SCHUBERT は 「LIEBLICH 可愛らしく」
SCHUMAN は 「NICHT SCHNELL 早くなく」となっています。
同じ歌詞でも、それぞれ曲の雰囲気が異なって、それぞれに素敵で、演奏する人によってもまた変わってきます。
お時間が合ったらぜひ聞き比べてみると面白いでしょう。レッスンでは作曲家の意図を汲み取っていただくための、お手伝いをいたします。
正確に「相手に伝えたい」という気持ちを大事に、音楽留学や趣味でドイツ語を学ぶ必要がある方、学びたい方に【音楽ドイツ語レッスン】をご提供しています。
Frau
Morino Profil
こんにちは!
私はお庭にリスや鹿がでてくるような、のどかなオーストリアの田舎に住んでいます。
東京芸術大学の声楽科を卒業したあと、大学院ソロ科と文化庁のオペラ研修所に並行していきました。
文化庁の在外派遣研修員として、ウィーンへ2年間留学させて頂いて、ウィーン国立音楽大学オペラ科に入り学びました。卒業後はコンクールを受けたり、音楽事務所のオーディションや、そこから紹介されるプロダクションのオーディションなどを受けたりしながら、演奏活動をしています。これまでに、オーストリアをはじめ、ドイツ、ハンガリー、スロヴァキア、チェコ、ノルウェー、アメリカなどで、オペラ公演や、コンサートに出させていただいています。
日本からいらっしゃる留学生の方をお手伝いすることも多くなりました。音楽大学を受けるための準備、リハーサル現場や、入学した後の仲間同士での会話、先生や音楽事務所とのコンタクト、ビザの申請、など、留学して、生活を自分のリズムに合わせていくには、いろんな準備があります。
私もたくさん「しまった!」という経験をしました。それでも結構、大丈夫なこともたくさんあります。
~済んでしまえばすべて笑い話~そんなお話も交えながら、音楽留学生、音楽愛好家の方々が、ドイツ語圏で楽しく生活できるよう、応援しています。
「うまく通じました!」というフィードバックを聞くのが嬉しくて、その言葉をたくさん聞けるよう、「それぞれの自己表現のしかた」を求めて、レッスンに挑んでいます。
ところで、余談ですが、オーストリアに来て初めて触れたもので、趣味になったものもあります。軽い山登りやパン作りです。日本にいる間には考えられなかったことで、面白いものだな・・・と思っています。